【徹底比較】センター試験と共通テストの違いとは?評価項目や学習方法も解説
日本の大学入試システムが大きく変わり、センター試験から大学入学共通テストへ移行されました。本記事では、両試験の違いと新しい評価方法を解説します。
最後まで読めば、新しいテストの仕組みを理解し、効果的な勉強方法を身につけられます。
センター試験と大学入学共通テストの基本的な違い
センター試験と大学入学共通テストは、性質や評価の方法に大きな違いがあります。
- センター試験の役割
- 共通テストの導入目的
センター試験の役割
センター試験は、高等教育機関への入学資格を得るために2020年まで実施されていました。全国の国公立・私立大学の入学前の評価基準であり、基本的な学力を測ることが目的です。大学の2次試験を受けるためにも必要でした。
出題範囲は高校で学んだ全国共通基準の内容です。各教科ごとに細かく分かれた試験科目を通じて、受験生の学力を評価します。
共通テストの導入目的
共通テストの目的は、受験生の学力を多角的に評価することです。試験は大学入試の公正さと透明性を保つように設計されています。
新しい教育指導要領に基づく内容と形式を取り入れ、思考力や判断力、表現力を測れるようになりました。高校と大学の学びをつなげ、受験生がスムーズに大学での学習に適応できるようになっています。
» 共通テストについて解説
センター試験から大学入学共通テストへ移行した理由
センター試験から大学入学共通テストへの移行の理由として、教育政策の変化と高大接続改革の背景があります。新しい技術や方法を取り入れて、試験内容の公平性と正確性が向上しました。
センター試験の形式では、現代の教育の要求に十分に対応できなかったという理由もあります。受験生のさまざまな能力に合わせた適切な評価が期待されています。センター試験から大学入学共通テストへ移行した理由は以下のとおりです。
- 教育政策の変化
- 高大接続改革の背景
教育政策の変化
教育政策は、グローバルスタンダードに適応するために大幅に変更されました。21世紀の知識社会で必要なスキルを身につけてもらうことが目的です。情報技術教育の強化も進められており、地方創生と経済発展を支える人材育成が重視されています。
高大接続改革の背景
高大接続改革の背景には、社会や教育環境の大きな変化があります。単に知識を暗記するだけでなく、思考力や判断力、表現力を養う教育が重視されるようになりました。
変化に対応するため、高校と大学の学びをうまくつなげることが必要となりました。高大接続改革は、学生が各学習の段階で、最大限の学びができることを期待されています。
教育の多様化と個別化が進む中で、学生個人に合わせた教育内容が求められています。実現には高校と大学が連携し、多様な背景を持つ生徒を受け入れる準備が必要です。高大接続改革は、生徒が社会で将来的に成功するための大切なステップです。
センター試験と大学入学共通テストの違い
センター試験と大学入学共通テストは、以下の項目に違いがあります。
- 試験科目
- 試験方式
試験科目
大学入学共通テストは、さまざまな科目から構成される試験です。受験生の多様な学力と興味に対応し、多角的な能力を評価するために設計されています。科目は以下のとおりです。
- 国語:現代文と古文・漢文
- 数学:数学Ⅰ、数A、数学Ⅱ、数B、数C
- 外国語:英語を含む複数の言語
- 理科:物理、化学、生物、地学
- 地理歴史:日本史、世界史、地理
- 公民:公共、倫理、政治・経済
- 情報:情報Ⅰ
受験生は得意分野や進学希望の学部に応じて、最適な科目を選択できます。潜在能力を最大限に引き出しやすいのが特徴です。
試験方式
大学入学共通テストは、マークシート方式が採用されています。選択肢から最も適切な答えを選び、回答をする形式です。(記述式の問題の導入も検討されましたが、現時点で導入は見送られております。)
試験は一般的に2日間にわたって実施され、数学と国語では複数の問題形式が用いられます。多様な角度から、思考力や判断力の評価が可能です。
大学入学共通テストの新しい評価項目
大学入学共通テストの新しい評価項目を紹介します。
- 「思考力・判断力・表現力」を測る問題
- 新評価項目が求める能力
「思考力・判断力・表現力」を測る問題
大学入学共通テストでは、「思考力・判断力・表現力」を測る問題が出題されます。複雑な情報処理能力や、社会で直面する問題への対応力を評価することが目的です。
単に知識を問うのではなく、与えられた情報を整理し、自分の意見を形成して表現する力が求められます。実社会のケーススタディを取り入れた問題設定は、抽象的な思考力や実践的な問題解決力を確認することが可能です。
解答の過程も重視されます。単に正解を見つけるだけでなく、どのように思考や判断をしたかも評価の対象です。受験生は思考力、判断力、表現力の総合的な高さが求められます。
新評価項目が求める能力
新評価項目の導入により、実社会で役立つ多様な能力の習得が求められます。以下の能力が評価されます。
- 論理的思考力
- 批判的思考力
- 創造的思考力
- 問題解決能力
- 情報リテラシー
- コミュニケーション能力
情報を効率的に扱い、新しいアイデアを生み出す力が、複雑な問題に対して適切な解決策を見つける上で重要です。他者と協力し、効果的なコミュニケーションを取る能力も求められます。どのような状況にも柔軟に対応し、適応する力を養う必要があります。
大学入学共通テストの学習方法
大学入学共通テストの対策として、計画的かつ戦略的な学習方法が重要です。大学入学共通テストの学習方法は以下のとおりです。
- 主要科目ごとの対策方法
- 読解力と論理的思考力を高める勉強法
- 過去問題の活用法
主要科目ごとの対策方法
大学入学共通テストは、各科目の特性に合わせた勉強法が成績向上につながります。各科目の重要なポイントや出題傾向を把握し、効率的な学習スケジュールを作成しましょう。効果的に学習すれば、大学入学共通テストで高い成績を取ることが可能です。
国語
国語は、さまざまなジャンルの文章を読み解く力や、古文や漢文を含む広範囲の問題解決能力が必要です。新聞の社説や小説、評論などの文章に幅広く触れると効果的です。
数学
数学は、基本的な公式や解法を完全に理解した上で多くの問題を解きましょう。基礎を大切にし、実戦での応用力を養ってください。図形問題への視覚的な理解を深めることも重要です。
英語
英語はリスニングとリーディング力をバランス良く伸ばすことが大切です。長文読解の技術と必要な単語力を高めましょう。実際の会話や文章で使われる表現を学ぶと、自然な英語が身につきます。日常的に英語の音声や動画に触れ、リスニング試験の内容に慣れるのも有効です。
理科
理科は、物理や化学、生物、地学から興味があって得意な分野を選びます。基礎知識を定着させた後に応用問題を対策し、具体的な実験や現象の理解を深めましょう。
社会
社会は歴史や地理、公民の中から選んで受験します。それぞれに応じた学習をしましょう。時事問題に注意し、図表やデータの読み取り能力を鍛えることが大切です。
読解力と論理的思考力を高める勉強法
大学入学共通テストで高得点を得るには、読解力と論理的思考力がとても重要です。読解力を高めるには、毎日一定量の読書が大切です。さまざまなジャンルの本を読むことで、幅広い知識が身につき、思考の幅も広がります。
論理的思考力を養うには、ディベートや討論を通じて、異なる視点から物事を考える訓練が効果的です。ニュース記事や論文を読んで、主張と根拠を分析することも重要です。情報を整理し、効率よく学習する技術が身につきます。他にも以下の勉強法が挙げられます。
- 論理パズルや数独を解き、問題解決能力を鍛える
- 学んだ内容を他人に説明し、理解を深める
- 読んだ内容の要約や感想を書く練習をする
- 問題文のキーワードや重要情報をマークし、活用されている部分を理解する
共通テストの「思考力・判断力・表現力」を測る問題にも直結するため、実践が大切です。
過去問題の活用法
大学入学共通テストの対策において、過去問題の活用はとても有効です。理由は以下のとおりです。
- 試験の形式や問題の傾向を理解でき、試験本番での戸惑いが減る
- 時間を計測して解けば、時間管理の能力と効率的な解き方を学べる
- 弱点が明確になり、集中すべき科目がわかる
- 最新の試験の過去問から、出題の傾向が把握できる
過去問を解いて、間違えた箇所は必ず解説を読み、理解を深めて同じミスを防ぎましょう。試験制度や内容の変更に対応するためには、最新の過去問題の把握が重要です。
模擬試験を受ければ、試験の環境に慣れることが可能です。知識の定着を確認し、苦手な部分の特定もできます。新しい問題形式に慣れるためには、サンプル問題や予想問題集を解くことも欠かせません。過去問や模擬試験の活用は、全体的な学力向上と具体的な試験対策に役立ちます。
大学入試共通テストの情報
大学入学共通テストは、国公立大学と一部の私立大学の1次試験です。試験に関する詳細な情報を、以下の項目ごとに解説します。
- 共通テストの日程と申込み方法
- 大学選択とスコアの関係
- 試験当日の注意点
共通テストの日程と申込み方法
共通テストは毎年1月13日以降の最初の土日に実施されます。受験生は在籍する高校に申し込みすれば、高校が手続きを代行してくれます。指定された期間内に書類を提出することも必要です。一方で、私立学校や通信制高校、海外の学校に通う生徒は、指定された地域の学校や大学入試センターに直接申し込めます。
申し込み期間は通常、前年の9月下旬から10月初旬に設定されています。申し込み期間を逃すと受験の機会を失うため、注意しましょう。
大学選択とスコアの関係
大学を選ぶ際は、共通テストのスコアがとても重要です。スコアが高いほど、多くの大学や人気の学部への入学のチャンスが広がります。
スコアが特定の基準を超えれば、追加の面接や小論文などの2次試験が免除される可能性があります。試験の負担が減り、効率的に入学手続きを進めることが可能です。高得点を目指しましょう。
試験当日の注意点
試験当日はスムーズに試験を受けるために、以下のポイントに注意しましょう。
- 前日に持ち物を確認し、受験票・写真票、学生(身分証明)証を用意する
- 試験開始時間の30分前には会場に到着し、余裕を持って準備を整える
- 携帯電話を機内モードにするか、電源を切って試験中に鳴らないようにする
- 試験途中はトイレの使用が制限される場合が多いため、事前に済ませておく
上記の点に注意し、試験に挑みましょう。また、試験前に会場のルールも確認しましょう。持参する筆記用具は、黒の鉛筆(H、F、HBに限る。和歌・格言等印刷されているものは不可)やシャープペンシル、プラスチック製消しゴムが一般的です。
試験中は、問題用紙や解答用紙に記載された指示をよく読み、間違えないように注意してください。落ち着いて試験に取り組むことが大切です。
まとめ
センター試験から大学入学共通テストに変わり、新しい評価基準や試験方法が導入されました。「思考力・判断力・表現力」を重視した問題形式の採用や、英語の実用力を求められることが特徴です。受験生は適切な学習方法と試験対策が必要です。過去問も活用しましょう。
大学入学共通テストは、試験の日程や申込み方法、大学選択の基準スコアなどが旧来のセンター試験と異なります。大学入試の成功を収めるには変更点をしっかりと把握し、適切に準備することが大切です。
» 大学入試の仕組みを解説