共通テストとは?出願方法や受験戦略のポイントを解説
大学入学共通テストの内容と対策を十分に理解していますか?当記事では、大学入学共通テストの概要から受験戦略まで分かりやすく解説します。記事を読めば、試験内容の理解と効果的な準備方法が明確になります。
高得点を目指すためのアドバイスや、受験生が自信を持って試験に臨めるポイントも紹介するので、受験戦略の参考にしてください。
大学入学共通テストとは
大学入学共通テストは、日本全国の公立及び私立大学の入学試験で利用される成績を標準化するテストです。2020年度からセンター試験に代わって導入されています。
共通テストの目的
共通テストの主な目的は、以下の3つです。
- 大学入学選抜において平等な機会を与える
- 大学での学習に必要な能力を持っているかを判定する
- 全国の大学間で学力の均等を図る
大学への進学を志望する全ての学生に対して、一貫した評価基準を設定することで、平等かつ円滑に入学者の選抜を進められます。
共通テストとセンター試験の違い
2020年度から大学入試の形式に変更が加えられ、共通テストとセンター試験の間に大きな違いが出ています。特に共通テストでは「思考力、判断力、表現力」を重視した問題に変更されました。学生は単に知識を覚えるだけでなく、知識をどのように活用するかを考える力が必要になります。
共通テストは、多様な学問領域への進学を目指す学生の広い範囲の学力を評価するために設定されています。学生の潜在能力やさまざまな思考力が、より公正に測定されることが期待されています。
» センター試験と共通テストの違いを解説
大学入学共通テストの概要
大学入学共通テストは、日本全国の国公立大学の入学者選抜に利用される重要な試験です。高校卒業予定者が主な対象です。
多くの受験生が共通テストの成績を基に、大学入試のさまざまな段階を経て入学を目指します。大学によっては、共通テストに追加して学力試験や面接が行われます。
試験方式
大学入学共通テストは、一般的にマークシート方式で行われる試験です。受験生は、提示された選択肢から正しい答えを選ぶ必要があります。
試験方式については、以下を参考にしてください。
- 試験は2日間にわたって行われる
- 生徒は各自が受験する科目を選択できる
- 試験時間は科目ごとに異なる
出題科目
大学入学共通テストでは、多岐にわたる科目が出題されます。出題科目は、受験生が大学入学後に必要とされる基礎知識や思考力を問うために設定されています。
科目 | 詳細 |
---|---|
国語 | 現代文と古典 |
数学 | 数学I・Aと数学II・B・C |
外国語 | 英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1つ選択 |
理科 | 選択科目:物理、化学、生物、地学 :物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎 |
地理歴史 公民 | 選択科目:「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」「公共、倫理」「公共、政治・経済」 :「地理総合/歴史総合/公共」 |
情報 | 情報Ⅰ |
受験対象者
大学入学共通テストの受験対象者は、以下のように多岐にわたります。
- 高校生活を終えたばかりの学生
- 現役の高校生
- 浪人生
- 社会人(高校卒業資格を持つ人)
- 特定の学力認定試験に合格している人
さまざまなバックグラウンドを持つ人が、大学進学の機会を得られます。
試験日程
試験は年に一度、1月の第2週末に実施されます。午前の部と午後の部に分けて行われるのが特徴です。各日の具体的な時間割や科目の詳細は、公式サイトで確認する必要があります。試験日のスケジュールを事前に把握して、受験準備を計画的に進めましょう。
受験生は受けたい科目を自由に選択可能です。科目ごとに試験時間は異なり、試験中の参考書やノートの持ち込みは禁止されています。追試験は基本的には行わないため、計画的な準備が必要です。
大学入学共通テストの出願方法
大学入学共通テストの出願方法を以下の3点解説します。
- 出願の手順
- 必要書類
- 出願期日
出願の手順
大学入学共通テストへの出願は、適切な手順を踏むことが大切です。出願の手順は、以下のとおりです。
- 入試センターの公式サイトで、出願開始日と締切日を確認する
- オンライン出願システムにアクセスする
- ユーザー登録する
- 必要書類をデジタル形式でアップロードする
- 試験料を支払う
出願が正常に完了したことを確認し、出願確認書を印刷または保存してください。手順を正確に行うことが、テストへの参加資格を確保する鍵となります。
必要書類
大学入学共通テストの出願には、以下の書類が必要です。
- 志願票
- 検定料受付証明書
- 出願資格を証明する書類(高等学校又は中等教育学校を卒業見込みの者以外の者)
資格証明書は個々の出願資格によって、必要書類が異なっています。書類を準備する際には、最新で正確な情報かを確認することが重要です。指定された書式や期日に沿って提出してください。
出願期日
大学入学共通テストの出願期日は、通常、試験年の前年の9月から10月とされています。
出願期日を逃すと受験資格が失われるため、期日前に必要書類をそろえましょう。出願期日は大学の公式サイトや入試情報で確認できます。年度によって変更する場合もあるので、最新情報の確認が大切です。
大学入学共通テストで求められるスキル
大学入学共通テストは、学力の3つの要素を測定し、学生の総合的な能力を評価します。学力の3つの要素は以下のとおりです。
- 思考力
- 判断力
- 表現力
思考力
大学入学共通テストでは、情報を整理し、複雑な問題を論理的に分析する能力が試されます。テストで求められる思考力は、問題解決のための重要なスキルとされています。
複数の情報源から必要な情報を選択し、情報を統合することで正確な判断を下す力が必要です。抽象的な概念を理解し、具体的な問題解決に応用する能力も重要視されます。
問題に対して独自の解答を導く思考力も、テストの成功には欠かせません。さまざまなスキルを身に付けることが、共通テストだけでなく、将来的な学問や職業での成功に直結します。
判断力
判断力とは情報を分析し、最適な選択を行う能力のことです。問題の本質を把握し、複数の選択肢の中から最も効果的な解決策を選ぶ能力が含まれます。
大学入学共通テストでは、さまざまな情報源から正しい情報を選択する問題が出題されるため、判断力を鍛える絶好の機会です。判断力は、学問の場だけでなく、将来的なキャリアにおいても非常に役立ちます。
表現力
表現力は、大学入学共通テストにおいて非常に重要なスキルです。表現力は、国語や英語の記述式問題で求められます。正確な文法と語彙を使って、情報を効果的に伝える能力が評価されます。文章を書く際には、論理的な構成を心がけ、時事問題に関連した内容を取り入れましょう。表現力がより際立ちます。
表現力を高めるためには、日常的に多読を行い、さまざまなテーマについての文章を書く練習を積むことが効果的です。時事問題について定期的に学び、自分なりの意見をまとめることも、表現力向上につながります。
大学入学共通テストの受験戦略
大学入学共通テストは、学生にとって進学先を決定する非常に重要な試験です。受験成功への鍵は、各科目の出題傾向を理解し、効率的な勉強方法を取り入れることです。
科目別の出題傾向
大学入学共通テストに向けての学習計画を立てる際、科目別の出題傾向を把握することが重要です。それぞれの科目で求められるスキルや知識が異なるため、科目に合った対策を行う必要があります。
現代文と古文・漢文が主要な出題範囲です。現代文では文章の理解と情報の把握が求められ、複数の資料を関連づけて応用的思考力を問う設問もあります。根底からテーマを理解する訓練をしましょう。古文・漢文では文法知識と文学史の理解が必要となり、音読で習得することも大切です。読解力と文学的な知識が重要な役割を果たします。
数学I・Aと数学II・Bに分けられ、論理的思考力と計算能力が試される科目です。数学的概念や公式の適用能力が求められるため、日頃から演習を重ねることが大切と言えます。また、問題の文章量が非常に多いので、全体の時間配分をしながら、解答に必要な情報を素早く理解することが必要です。
リーディングとリスニングに焦点が置かれ、広範囲な語彙力と文法理解が必要です。長文読解の速読技術やリスニングの聞き取り技術を向上させることが求められます。
物理、化学、生物、地学から科目を選んで試験に臨みます。実験データの解析や科学的理論の深い理解が要求され、実験結果や科学現象を論理的に説明する能力が必要です。日頃から図表・グラフを読み取って、推測・判断する経験を積んでおきましょう。
歴史、地理、公民が選択肢となり、事実の記憶や時事問題への理解が試されます。歴史的背景や地理的事象、政治的な動向を理解するため、日常的にニュースを追いましょう。資料に示された内容を多面的・多角的な視点で読解するため、様々な多くの史資料にも慣れておく必要があります。
効率的な勉強方法
大学入学共通テストの成績を向上させるには、効率的な勉強方法が非常に重要です。以下の内容を心がけましょう。
- 勉強スケジュールを計画的に立てる
- 基礎知識の徹底的な理解と定着を図る
- 問題集や過去問を用いた反復勉強をする
- 自分の弱点を把握し、重点的に対策を行う
- 疲れを感じたら適度な休息を取り、集中力を維持する
他者とのグループ勉強や模擬試験を利用することで、さまざまな形式の問題に慣れ、試験に対する対応力を高められます。先生からのフィードバックを活用し、解答を磨くことも効果的です。
健康管理にも注意し、試験本番に体調を整えることが重要です。効率的な勉強方法を取り入れることで、試験の準備を効率的に進められます。
試験当日の注意点
試験当日の注意点は、以下のとおりです。
- 必要な持ち物は前日までに準備する
- 試験会場への交通手段や所要時間を事前に確認する
- 試験会場では静かに行動する
- 携帯電話は電源を切るか、マナーモードに設定にする(試験中は電源を切る。)
- ペットボトルや小さなスナックを持参する
当日の持ち物には主に次のものが挙げられます。詳細は「受験案内」にありますので、最新のもので確認しましょう。
- 受験票、写真票
- 筆記用具
- 時計など
試験中に不明点があれば、遠慮せずに試験監督者に質問することが重要です。試験終了後には試験問題冊子を持ち帰ることができます。共通テスト後の出願校を決定する際に、自己採点が必要となりますので、自分の回答は試験中に問題冊子に転記をしておきましょう。
大学入学共通テストに関するよくある質問
大学入学共通テストに関するよくある質問について答えます。
大学受験で私立と国公立の違いは?
大学受験における私立大学と国公立大学の違いは、以下のとおりです。
私立大学の学費は高額な傾向にあります。一方、国公立大学は比較的低い学費での教育が可能です。
私立大学は多くの学生を受け入れており、選択肢が広がるのが特徴です。対照的に、国公立大学の入試は高い難易度が設定されており、激しい競争が予想されます。
私立大学ではAO入試や推薦入試など、多様な入試方法が用意されています。AO入試や推薦入試は、学力試験以外の方法で学生が能力や適性をアピールする機会です。一方で、国公立大学は地域への貢献が期待されることもあり、地元での活動が評価される点も見逃せません。
私立と国公立の違いを把握し、自分に最適な大学選びを行いましょう。
共通テストで高得点を取るコツは?
共通テストで高得点を取るためには、計画的な学習と試験対策が重要です。試験範囲を早めに把握し、綿密な学習計画を立てましょう。過去問を解いて出題形式に慣れることが重要です。
自分の弱点を特定し、弱点を重点的に改善することも大切です。苦手な科目や分野があれば、理解を深めるための追加学習を行います。追加学習の際には、参考書や予備校の講座の活用も検討してください。
本番の試験に備えて、時間管理を意識した模擬テストを行うこともおすすめです。模擬テストを定期的に行うと、試験時間内に問題を解き終えるペース配分を身に付けられます。
試験の直前には、健康管理も必要です。適切な休息を取ることで、最高のコンディションで試験に臨めます。試験当日は余裕を持ったスケジュールで会場に向かい、リラックスした状態で試験を迎えられます。高得点を取るコツを実践すると、共通テストで好成績を収めることが可能です。
まとめ
大学入学共通テストは、センター試験の後継として設立された全国統一試験です。大学入学の選考プロセスにおいて、思考力、判断力、表現力を試す重要な役割を担っています。
受験生は、出願書類を正確に準備し、指定された期日までに提出する必要があります。効率的な勉強方法を取り入れ、試験当日の流れに慣れることも重要です。各科目の出題傾向を理解し、過去問を徹底的に分析することで、試験に臨む準備を整えられます。
» 大学入試の仕組みを解説