学校推薦型選抜とは?指定校・公募の違いと合格までの流れ【指定校推薦経験者の親が解説】
学校推薦型選抜は、高校長の推薦を受けて出願する入試方式で、「指定校推薦」と「公募推薦」に大きく分かれます。私自身、指定校推薦で大学に進学した経験があり、娘の受験でも改めてこの制度と向き合いました。
経験者として言えるのは、勝負は高3の秋ではなく、高1の1学期から始まっているということです。
この記事では、学校推薦型選抜の種類と流れ、メリット・注意点を2026年7月時点の情報で解説します。
学校推薦型選抜とは

高校の学習成績(評定平均)や活動実績をもとに学校長が推薦し、大学が書類・面接・小論文などで選抜する方式です。出願開始は11月1日以降、合格発表は12月以降と定められています。
現在は学力評価も必須で、小論文・口頭試問・共通テスト・資格スコアなどが課されます。国公立大学の推薦では共通テストを課すケースが多数派です。
学校推薦型選抜の種類

指定校推薦
大学が特定の高校に推薦枠を割り当てる方式です。校内選考を通過すれば合格率はきわめて高いのが最大の特徴。
ただし、次の点に注意が必要です。
- どの大学の枠が自分の高校にあるかは、高3の夏〜秋まで正式には分からない(例年の実績は進路室で確認可能)
- 校内選考は主に評定平均で競う。高1の1学期からの全科目の成績が対象
- 合格したら入学が前提(辞退は原則不可)。専願です
私自身も、指定校推薦で大学に進学した一人です。私の頃は、成績上位の人から順に、高校に来ている枠の中から行きたい大学を選ぶ方式で、選ばれれば、ほぼ合格という世界でした。
基本の仕組みは今も大きくは変わりませんが、細かいルールは学校によって違います。娘の高校の場合は、あらかじめ希望を1つだけ出し、校内選考に通らなければそこで終わり。第2次募集で枠が余っていれば、別の大学に手を挙げられる方式でした。
そして、今も昔も変わらないことが一つあります。決まったら辞退はできない、ということです。辞退すれば、翌年以降の後輩たちの枠に響いてしまうからです。
公募推薦
出身高校を問わず、大学の定める基準(評定平均○以上など)を満たせば出願できる方式です。指定校と違い合格の保証はなく、倍率も相応。
小論文・面接・基礎学力検査などで選抜されます。国公立大学の推薦はほぼこちらです。
専願か併願可かは大学により異なるため、募集要項の確認が必須です。
地域枠推薦
医療系学部などで多い、特定地域の出身者・地域医療への従事を条件とする枠です。卒業後の勤務地条件などが付く場合があるため、条件をよく確認してください。
合格までの流れ(2027年度入試・現高3向け)

| 時期 | 指定校推薦 | 公募推薦 |
|---|---|---|
| 〜高3の1学期 | 評定平均の積み上げ(最重要) | 同左+出願基準の確認 |
| 7〜9月 | 校内で募集発表→希望調査 | 志望理由書・小論文対策 |
| 9〜10月 | 校内選考 | 出願書類準備 |
| 11月1日〜 | 大学へ出願・面接等 | 出願・選考(小論文/面接/学力検査) |
| 12月〜 | 合格発表 | 合格発表(不合格なら一般選抜へ) |
評定平均について
評定平均(学習成績の状況)は高1の1学期から高3の1学期までの全科目の平均です。「推薦を考え始めた高3から頑張る」では間に合いません。
逆に言えば、定期テストを地道に積み上げてきた生徒には大きな武器になります。
メリットと注意点

メリット
- 年内に進路が決まり、残りの高校生活を充実させられる
- 日々の学習の積み重ね(評定)が正当に評価される
- 指定校は校内選考を通れば合格率が高い
注意点
- 専願制が多く、合格後の辞退は原則不可。「受かったら行く」覚悟で出願する
- 校内選考で敗れた場合・公募で不合格の場合に備え、一般選抜の学習は続ける
- 合格から入学までの期間が長いため、入学前課題や継続学習が課される大学も多い。気を抜くと入学後に苦労します
- 評定は「全科目」。副教科も手を抜かない
親ができるサポート

- 高1・高2のうちから、定期テストの重要性を(口うるさくならない程度に)共有する
- 進路室の指定校枠リストを子どもと一緒に確認する
- 専願制のルールを親も理解し、家族で「本当にこの大学でいいか」を話し合う
わが家の話を少しさせてください。娘は高3の8月時点では国公立大学も視野に入れていましたが、第1希望の私立大学の史学科の指定校推薦枠は、娘の高校には来ていませんでした。
一方で、第2希望の私立大学からは指定校の枠が来ていました。校内の締切は9月の第1週。娘はギリギリまで悩みました。
ちょうど総合型選抜の志望理由書や課題の提出に追われる、受験期で一番忙しい時期です。学校は学園祭ムードで、「指定校に逃げたい」という気持ちが顔を出すのも無理はありませんでした。
それでも娘は、第1希望に挑戦したい気持ちを貫き、指定校推薦の希望を出しませんでした。まるで「目の前に100万円が落ちているのに、拾わない」ような気分で、涙する日もあった9月でした。
結果として、娘は第1希望の大学に総合型選抜(自己推薦入試)で合格しました。そして娘の合格をきっかけに、翌年からその大学の指定校枠が高校に来ることになったそうです。
指定校推薦の「確実さ」は大きな価値です。でも、それを手放してでも行きたい大学があるなら、挑戦する道もある——どちらを選んでも、締切までに子ども自身が決めた答えなら、それが正解なのだと思います。
学校推薦型選抜 よくある質問
評定平均はどうやって計算される?
高1の1学期から高3の1学期までの全科目の評定を平均した数値で、調査書には「学習成績の状況」として記載されます。副教科も含めた全科目が対象です。
指定校推薦で不合格になることはある?
校内選考を通過すれば合格率はきわめて高いですが、面接や提出書類が極端に悪い場合の不合格はゼロではありません。「ほぼ受かる」と言われても、準備の手は抜かないことです。
部活動や委員会は評価される?
調査書や推薦書に記載され、面接での話題にもなります。ただし校内選考の基本は評定平均で、活動実績はプラスアルファと考えるのが実態に近いです。
公募推薦は何校まで出願できる?
専願条件の大学なら1校のみ、併願可の大学同士なら複数出願できます。合格した場合の入学義務の有無を、出願前に募集要項で確認してください。
まとめ

学校推薦型選抜は、高校生活の積み重ねがそのまま評価される入試です。指定校推薦は校内選考=評定勝負、公募推薦は基準クリア+当日の選考勝負。
どちらも出願は11月1日からですが、実質的な準備は高1から始まっています。お子さんが高1・高2なら、今の定期テストこそが「受験勉強」だと伝えてあげてください。
» 総合型選抜との違いを解説

